見逃し率が10%以下になる。ですから、少なくとも要医療として診断しなければならない人たちを見逃すことなくスクリーニングできるレベルとして110という血糖値が設定されているからです。110以下であれば、その中でももちろん糖尿病の人はいなくはないのですが、それはもう本当に数パーセント以下である。今回見逃しても次の年に引っかかる可能性は十分あるし、その1年間でそう大きな出来事が起こるはずはない、という見方ができるからなのです。
ヘモグロビンエーワンシー(HbAlc)とは
グリコヘモグロビンともいわれているHbAlcはどういう検査なのかということも知っておかないと、せっかくこうやって導入された検査の意味づけがはっきり理解されません。
HbAlcが血糖マーカーであるということの意味は、血液中を流れているブドウ糖の濃度、すなわち血糖値を反映する検査です。これは赤血球中の血色素とブドウ糖の非酵素的結合現象を利用しています。ですから血糖値が高ければ血色素と結びついたHbAlcの濃度が高くなり、6%以上を異常としているわけですが、糖尿病を診断して今度は治療をしていくというレベルになりますと、少なくとも7%以下にはしておかないといけない。7%以下にしておけば、糖尿病につきもののいろんな合併症を防げるレベルであるという認識で、その血糖値は空腹時でいえば120以下である。ですから空腹時の血糖値が120以下でHbAlcが7%以下ならば、よいコントロール状態だといえるのはこういう理由があるからです。
いずれにしてもHbAlcという検査は赤血球の中に含まれている血色素とブドウ糖のくっついた状態のものを調べている検査であるというこ
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